システム・運用#197

RF電力増幅器のDC-DC電源変換 — バス28Vと増幅器のあいだにある効率の第二段

SSPAのPAEやTWTAの効率を語るとき、実はバス一次電圧から増幅器の動作電圧へ変換する電源段が挟まっており、その効率が総合効率に直接掛かる。降圧コンバータのデューティ比と電流リプル、導通損・スイッチング損のトレードオフから最適周波数を導き、TWTA用EPCの多段高電圧出力、放射線耐性・EMC設計という宇宙特有の制約までを数式で理解する。

前提知識: SSPA — 半導体トランジスタで電波を増幅する固体電力増幅器探査機電力予算と通信系のトレードオフ — 発電量の頭打ちと距離の二重苦

DC-DCコンバータEPC電源設計スイッチング損失EMC

この回で学ぶこと

SSPAの回では、GaN HEMTの飽和動作時のPAE(電力付加効率)が概ね40〜65%に達すること、クライストロンとTWTAの回ではTWTAの飽和効率が50〜65%程度であることを見ました。そして電力予算の回では、送信RF電力 PRFP_{RF} を得るために消費するDC電力を PDC=PRF/ηP_{DC}=P_{RF}/\eta と書き、この η\eta が探査機全体の電力バジェットにどう跳ね返るかを議論しました。

しかし、ここには意図的に伏せていた一段があります。増幅器に「DC電力」を供給しているのは誰か、という問題です。探査機の電力バスは、レギュレーテッドバスであれば28 V、あるいは大型衛星では50 Vや100 Vといった一次電圧に統一されています。一方、増幅器が必要とする電圧はまったく別物です。GaN SSPAのドレイン電圧は概ね20〜50 V、GaAs SSPAでは5〜10 V級、そして低雑音段や制御ロジックには3.3 Vや5 Vが要ります。TWTAに至っては、ヘリックス電極に数kV、コレクタ電極にも数kV級の高電圧を、しかも複数の異なる値で同時に供給しなければなりません。

つまりバスと増幅器のあいだには必ず電源変換段が挟まっており、そこにも独自の効率 ηPC\eta_{PC} があります。バスから見た真の効率は

ηtotal=ηPCηRF\eta_{total} = \eta_{PC}\cdot\eta_{RF}

というであって、ηRF\eta_{RF} 単独ではありません。この回では、(1) この積の構造がなぜ電力バジェットに効くのか、(2) 降圧コンバータの動作をデューティ比と電流リプルの式で定式化し、なぜリニアレギュレータでは不可能なのか、(3) 損失の内訳から最適スイッチング周波数が存在することを導出し、(4) TWTA用EPC(Electronic Power Conditioner)の多段高電圧出力という特殊性、(5) 放射線耐性・熱設計・EMCという宇宙特有の設計制約、を順に見ていきます。

直感的導入

RF技術者にとって、増幅器の効率は「RF出力 ÷ 供給DC電力」です。しかしシステム設計者にとって意味があるのは「RF出力 ÷ バスから引いた電力」の方です。この2つのあいだにある差が電源変換段です。

具体的な数字で衝撃を確認しましょう。GaN SSPAのPAEが ηRF=0.55\eta_{RF}=0.55 で、電源変換効率が ηPC=0.90\eta_{PC}=0.90 だとします。総合効率は

ηtotal=0.90×0.55=0.495\eta_{total}=0.90\times0.55=0.495

となり、PRF=20P_{RF}=20 Wを出すためにバスから引く電力は 20/0.49540.420/0.495\approx40.4 Wです。増幅器だけを見れば 20/0.5536.420/0.55\approx36.4 Wですから、差の約4 Wは電源変換段が熱として捨てている分です。これは電力予算の回で見た「他のサブシステムから電力を奪ってくる」というトレードオフに、そのまま計上されます。

さらに重要なのは、この関係がであるという構造そのものです。対数を取れば

10log10ηtotal=(10log10ηPC)+(10log10ηRF)-10\log_{10}\eta_{total} = (-10\log_{10}\eta_{PC}) + (-10\log_{10}\eta_{RF})

と、損失がdBで単純加算されます。増幅器のPAEを50%から55%へ改善するのは材料物理と回路設計の総力戦ですが、電源変換効率を90%から93%へ改善する方が、しばしば安上がりで確実な総合効率の改善策になります。「効率改善の投資対効果は、必ずしも花形のRF段にあるとは限らない」——これがこの回の実務的な含意です。

ではなぜ電源変換段はそもそも損失を出すのか、そしてなぜ90%台という値になるのか。それを理解するには、まず「電圧を変える」という操作の物理を見なければなりません。

数式定式化1: なぜリニアレギュレータではダメなのか

28 Vのバスから10 Vのドレイン電圧を作る、最も単純な方法はリニアレギュレータ(シリーズレギュレータ)です。これは負荷と直列に可変抵抗(実際にはアクティブ領域で動作するトランジスタ)を入れ、余分な電圧をそこで落とすというものです。

入力電流と出力電流は直列なので等しく IoutI_{out}、電圧だけが VinV_{in} から VoutV_{out} へ落ちるので、効率は

ηlin=PoutPin=VoutIoutVinIout=VoutVin\eta_{lin} = \frac{P_{out}}{P_{in}} = \frac{V_{out}I_{out}}{V_{in}I_{out}} = \frac{V_{out}}{V_{in}}

となります。設計の巧拙とは無関係に、変換比そのものが効率の上限という、動かしようのない結果です。28 V → 10 V なら ηlin=0.357\eta_{lin}=0.357。GaAs SSPAのように 28 V → 6 V が必要なら ηlin=0.214\eta_{lin}=0.214 です。総合効率は ηtotal=0.214×0.400.086\eta_{total}=0.214\times0.40\approx0.086 となり、20 WのRF出力に約233 Wのバス電力が必要になります。探査機の電力バジェットからすれば論外です。

しかも、失われた電力はすべて熱です。落とした電圧差 (VinVout)(V_{in}-V_{out}) と電流 IoutI_{out} の積

Ploss=(VinVout)IoutP_{loss} = (V_{in}-V_{out})\,I_{out}

が、レギュレータのパストランジスタ1個に集中して発生します。上の例では約74 Wが1つの部品の上に載ることになり、宇宙機の熱設計上も成立しません。

発想の転換。 リニアレギュレータが本質的に非効率なのは、トランジスタを「抵抗」として使い、余った電力を熱に変えて捨てているからです。もしトランジスタを、抵抗ではなく完全なスイッチとして使えたらどうでしょうか。理想的なスイッチは、オンのとき電圧降下ゼロ(P=0I=0P=0\cdot I=0)、オフのとき電流ゼロ(P=V0=0P=V\cdot 0=0)で、どちらの状態でも電力を消費しません。オンとオフを高速に切り替え、その時間比率で平均電圧を作れば、原理的に損失ゼロで電圧変換ができるはずです。

これがスイッチングレギュレータ、すなわちDC-DCコンバータの中心思想であり、宇宙用電源が例外なくスイッチング方式である理由です。

数式定式化2: 降圧(Buck)コンバータのデューティ比と出力電圧

最も基本的な降圧回路であるBuckコンバータは、スイッチ(ハイサイドMOSFET)、還流ダイオード(または同期整流用ローサイドMOSFET)、インダクタ LL、出力コンデンサ CC から構成されます。スイッチング周期を Ts=1/fswT_s = 1/f_{sw}、スイッチがオンしている時間を tont_{on} として、デューティ比

DtonTs(0D1)D \equiv \frac{t_{on}}{T_s}\qquad (0\le D\le 1)

と定義します。

出力電圧を導く鍵は、インダクタの磁束は定常状態で1周期あたり正味ゼロでなければならないという条件(volt-second balance、ボルト秒平衡)です。インダクタの基本式 vL=LdiL/dtv_L = L\,di_L/dt を1周期にわたって積分すると、定常状態では周期の始めと終わりで電流が等しい(ΔiL\Delta i_L の正味変化がゼロ)ので、

0TsvLdt=L[iL(Ts)iL(0)]=0\int_0^{T_s} v_L\,dt = L\big[i_L(T_s)-i_L(0)\big] = 0

が成り立ちます。オン期間はインダクタの両端に (VinVout)(V_{in}-V_{out}) が、オフ期間は (Vout)(-V_{out}) が(理想ダイオードを仮定)かかるので、

(VinVout)DTs+(Vout)(1D)Ts=0(V_{in}-V_{out})\,DT_s + (-V_{out})(1-D)T_s = 0

これを整理すると、Buckコンバータの基本関係式

  Vout=DVin  \boxed{\;V_{out} = D\,V_{in}\;}

が得られます。デューティ比という時間の比だけで出力電圧が決まり、そこに損失を表す項が一切現れないことに注目してください。理想素子であれば効率100%であり、これがリニアレギュレータとの決定的な違いです。28 V → 10 V なら D=0.357D=0.357、28 V → 6 V なら D=0.214D=0.214 を設定すればよく、変換比が小さいほど不利になるという性質もありません。

インダクタ電流リプル。 ただし、インダクタ電流は一定ではなく三角波状に脈動します。オン期間中、インダクタには (VinVout)(V_{in}-V_{out}) が一定に加わるので電流は直線的に増加し、その増分は

ΔiL=(VinVout)Lton=(VinVout)DLfsw\Delta i_L = \frac{(V_{in}-V_{out})}{L}\,t_{on} = \frac{(V_{in}-V_{out})D}{L f_{sw}}

です。Vout=DVinV_{out}=DV_{in} を代入して整理すると、リプル電流のピークトゥピーク値

ΔiL=Vout(1D)Lfsw=VinD(1D)Lfsw\Delta i_L = \frac{V_{out}(1-D)}{L f_{sw}} = \frac{V_{in}D(1-D)}{Lf_{sw}}

と書けます。この式は設計上きわめて重要です。リプルはインダクタンス LL とスイッチング周波数 fswf_{sw} の積に反比例するので、周波数を上げれば同じリプルをより小さな(=軽い)インダクタで実現できる。宇宙機のように質量が極度に貴重な系では、これが高周波化への強い動機になります。また D(1D)D(1-D)D=0.5D=0.5 で最大値 1/41/4 を取るので、デューティ比0.5付近が最もリプルが厳しい動作点です。

連続導通モード(CCM)の条件。 平均インダクタ電流は出力電流に等しく iˉL=Iout\bar{i}_L = I_{out} です。三角波の谷が正のままであれば電流は連続で、これを**連続導通モード(Continuous Conduction Mode)**と呼びます。条件は

Iout>ΔiL2=Vout(1D)2LfswI_{out} > \frac{\Delta i_L}{2} = \frac{V_{out}(1-D)}{2Lf_{sw}}

です。この境界を下回ると電流が周期の途中でゼロに達し、**不連続導通モード(DCM)**へ移行します。DCMでは Vout=DVinV_{out}=DV_{in} という単純な関係が崩れ、出力電圧が負荷電流に依存するようになるため、制御ループの伝達特性が変化し、レギュレーション精度と安定性の設計が難しくなります。送信機の電源は、送信オン・オフやバックオフ運用によって負荷電流が大きく変動するので、軽負荷時でもCCMを維持できるかは宇宙用DC-DC設計の重要な検討項目になります(同期整流を使うと、ローサイドMOSFETが逆方向にも電流を流せるため強制的にCCMを維持できますが、軽負荷では逆に効率を落とすというトレードオフがあります)。

出力電圧リプル。 インダクタ電流の交流分は出力コンデンサへ流れ込みます。三角波電流を積分した電荷変動を CC で割ることで、出力電圧リプルは

ΔVoutΔiL8Cfsw=Vout(1D)8LCfsw2\Delta V_{out} \approx \frac{\Delta i_L}{8\,C f_{sw}} = \frac{V_{out}(1-D)}{8LCf_{sw}^2}

と見積もられます(fsw2f_{sw}^2 で効くため、高周波化は出力リプル低減にも強く効きます)。実際には電解・セラミックコンデンサの等価直列抵抗(ESR)による ΔiLRESR\Delta i_L \cdot R_{ESR} の成分が支配的になることも多く、宇宙用では高信頼のセラミックやタンタルコンデンサのESRとディレーティングを含めた選定が行われます。この出力リプルは、後述するようにドレイン電圧の変動を通じてRF出力に振幅・位相の変調(スプリアス)として現れるため、単なる電源品質の問題では済みません。

数式定式化3: 損失の内訳と最適スイッチング周波数

理想スイッチなら効率100%でしたが、実際のMOSFETは有限のオン抵抗を持ち、オン・オフの遷移にも有限の時間がかかります。宇宙用DC-DCの効率が90〜95%程度に収まる理由は、以下の損失項の合計にあります。

(a) 導通損失。 オン状態のMOSFETはオン抵抗 Rds(on)R_{ds(on)} を持つ抵抗として振る舞います。ハイサイドはデューティ比 DD の期間、ローサイド(同期整流)は (1D)(1-D) の期間だけ導通するので、

Pcond=Iout2[DRds(on),H+(1D)Rds(on),L]P_{cond} = I_{out}^2\Big[D\,R_{ds(on),H} + (1-D)\,R_{ds(on),L}\Big]

(厳密にはリプルを含む実効値 Irms2=Iout2+ΔiL2/12I_{rms}^2 = I_{out}^2 + \Delta i_L^2/12 を使います。)重要な性質は、この項がスイッチング周波数 fswf_{sw} に依存しないことです。また Rds(on)R_{ds(on)} は温度とともに増大し(シリコンMOSFETで概ね 150150^\circCにおいて常温比1.5〜2倍)、しかも耐圧の高い素子ほど Rds(on)R_{ds(on)} が大きくなる(いわゆるシリコン限界 Rds(on)Vbr2.42.5R_{ds(on)}\propto V_{br}^{2.4\text{--}2.5}SSPAの回で触れたBaliga power lawの電源版)ため、放射線マージンのために高耐圧品を選ぶと導通損が増えるというジレンマが生じます。

(b) スイッチング損失。 MOSFETがオンからオフへ(あるいはその逆へ)遷移する短い時間、電圧と電流が同時にゼロでない状態が存在し、その重なりが損失になります。遷移時の電圧・電流を三角形近似すると、1回の遷移あたりのエネルギーは 12VinIouttr\tfrac{1}{2}V_{in}I_{out}t_{r} 程度、オン遷移とオフ遷移を合わせて1周期あたり

Esw12VinIout(tr+tf)E_{sw} \approx \tfrac{1}{2}V_{in}I_{out}(t_r+t_f)

です。これが毎秒 fswf_{sw} 回起きるので、

Psw12VinIout(tr+tf)fswP_{sw} \approx \tfrac{1}{2}V_{in}I_{out}(t_r+t_f)\,f_{sw}

さらに、MOSFETの出力容量 CossC_{oss} に蓄えられた電荷が毎周期放電されるゲート・容量性損失

Pcap=(CossVin2+QgVgs)fswP_{cap} = \big(C_{oss}V_{in}^2 + Q_g V_{gs}\big)f_{sw}

も加わります。いずれも**fswf_{sw} に比例**するのが本質的な特徴です。

(c) 磁性部品の損失。 インダクタ・トランスには2種類の損失があります。銅損は巻線抵抗による Irms2RdcI_{rms}^2R_{dc} ですが、高周波では表皮効果・近接効果によって実効抵抗が増大します(表皮深さ δ=ρ/πμf\delta=\sqrt{\rho/\pi\mu f} は周波数の平方根に反比例して薄くなる)。**鉄損(コア損失)**はSteinmetzの経験式

Pcore=kfswαBpkβVcore,α1.12.0,    β2.02.7P_{core} = k\,f_{sw}^{\alpha}\,B_{pk}^{\beta}\,V_{core}, \qquad \alpha\approx1.1\text{--}2.0,\;\;\beta\approx2.0\text{--}2.7

で表されます。ここで注意すべきは、ピーク磁束密度 BpkB_{pk} 自体が周波数に依存することです。ファラデーの法則より BpkVton/(NAe)1/fswB_{pk}\propto V\cdot t_{on}/(N A_e)\propto 1/f_{sw} なので、これを代入すると

PcorefswαβP_{core}\propto f_{sw}^{\alpha-\beta}

となり、β>α\beta>\alpha の一般的なフェライト材では周波数を上げるとコア損失はむしろ減るという、直感に反する結果が得られます。ただし高周波では巻線の近接効果損が急増するため、磁性部品全体としては単純な単調減少にはなりません。

最適周波数の存在。 主要項だけを取り出すと、総損失は

Ploss(fsw)A導通損(定数)+Bfswスイッチング損+Cfsw磁性・リプル関連P_{loss}(f_{sw}) \approx \underbrace{A}_{\text{導通損(定数)}} + \underbrace{B\,f_{sw}}_{\text{スイッチング損}} + \underbrace{\frac{C}{f_{sw}}}_{\text{磁性・リプル関連}}

という形にまとめられます。第2項と第3項の和を fswf_{sw} で微分してゼロと置くと、

ddfsw(Bfsw+Cfsw)=BCfsw2=0        fswopt=CB\frac{d}{df_{sw}}\left(Bf_{sw}+\frac{C}{f_{sw}}\right) = B - \frac{C}{f_{sw}^2} = 0 \;\;\Longrightarrow\;\; f_{sw}^{opt} = \sqrt{\frac{C}{B}}

という最適スイッチング周波数が存在します(相加相乗平均の関係からも、最小損失が A+2BCA+2\sqrt{BC} となることが直ちに分かります)。実務ではこの純粋な効率最適点だけでなく、質量(L1/fswL\propto1/f_{sw})、EMC(後述する周波数計画)、そして放射線環境下でのゲートドライバの動作余裕を総合して周波数が決められ、宇宙用DC-DCでは概ね50 kHz〜数百kHzという、地上民生機器(MHz級も珍しくない)よりかなり低い帯域が選ばれるのが伝統的です。低めの周波数が好まれる理由は、耐放射線グレードのMOSFETが民生品より CossC_{oss}QgQ_g が大きく高速スイッチングに不利であること、そしてEMC上のリスクを抑えたいという二点に集約されます。

数式定式化4: EPC — TWTA用電源の特殊性と多段コレクタ

SSPA用の電源が「28 Vから数十Vへの降圧」で済むのに対し、TWTAの電源、すなわち**EPC(Electronic Power Conditioner)**は質的にまったく異なる装置です。クライストロンとTWTAの回で見たように、TWTAは電子ビームを数kVの電位差で加速し、遅波回路(ヘリックス)との相互作用でRF電力を取り出し、使い終わったビームをコレクタで回収します。したがってEPCは、28 Vのバスから

  • ヘリックス電圧 VhV_h: 数kV(典型的に3〜7 kV級)
  • コレクタ電圧 Vc1,Vc2,,VcNV_{c1},V_{c2},\ldots,V_{cN}: 各段で異なる値
  • カソードヒータ電源: 数V・数A
  • グリッド制御電圧、各種テレメトリ・保護回路

同時に、独立に、高精度で供給しなければなりません。昇圧比が100倍を超えるため、Buck型の単純な降圧回路ではなく、高圧トランスの多重2次巻線と整流回路(しばしばCockcroft-Waltonの倍電圧整流段)を組み合わせた構成が使われます。EPC自体の変換効率は概ね**88〜94%**程度で、SSPA用の低電圧DC-DCよりやや低めです。高圧側の整流ダイオードの順方向降下、巻線間容量による損失、そして絶縁のための molding・potting が熱経路を悪化させることがその理由です。

多段コレクタによる効率改善。 EPCの複雑さの多くは、TWTAの効率改善技術である多段コレクタ(Multi-Stage Depressed Collector, MDC)に由来します。RF相互作用を終えた電子ビームは、まだかなりの運動エネルギーを保持したままコレクタへ飛び込みます。これを単一電極で受け止めると、そのエネルギーは全量が熱になります。ところが、コレクタをヘリックス電位より低い(=カソードに近い)電位に「押し下げ(depress)」ておくと、電子はコレクタに到達するまでに減速され、その分の運動エネルギーが電源側へ回生されます。

単一コレクタの場合、電源が供給するビーム電力は Pbeam=VhIbP_{beam}=V_h I_b です。NN 段のコレクタを電圧 Vc1>Vc2>>VcNV_{c1}>V_{c2}>\cdots>V_{cN} に設定し、それぞれに電流 Ic1,,IcNI_{c1},\ldots,I_{cN} が振り分けられるとすると、電源から実際に引かれる正味の直流電力は

PDC=VhIbn=1N(VhVcn)Icn  =  n=1NVcnIcn(損失電極分を除く)P_{DC} = V_h I_b - \sum_{n=1}^{N}\big(V_h - V_{cn}\big)I_{cn} \;=\;\sum_{n=1}^{N}V_{cn}I_{cn} \quad(\text{損失電極分を除く})

となり、(VhVcn)Icn\sum(V_h-V_{cn})I_{cn} がまさに回収された分です。総合効率は

ηTWTA=PRFPDC=PRFnVcnIcn+Ph+Ploss\eta_{TWTA} = \frac{P_{RF}}{P_{DC}} = \frac{P_{RF}}{\displaystyle\sum_{n}V_{cn}I_{cn} + P_{h} + P_{loss}}

と書け、コレクタ電圧を下げるほど分母が小さくなって効率が上がります。ただし下げすぎると、減速された電子がコレクタに到達できずに引き返す逆流電子(reverse electrons)が発生し、ヘリックスに衝突してRF性能を劣化させ、最悪の場合は管を破壊します。この綱渡りのために、EPCは各コレクタ段の電圧を高精度に保持し、かつ全段が協調して立ち上がるシーケンス制御を行う必要があります。実際の宇宙用TWTAでは4〜5段のコレクタが一般的で、単段では30〜40%程度だった管の効率を、多段化によって60〜70%まで引き上げています。

ここで重要な視点。 この「TWTAの効率65%」という数字は、多くの場合管単体(TWT)の効率です。EPCを含めたアセンブリ(TWTA = TWT + EPC)としての効率は

ηTWTA,assy=ηEPCηTWT0.90×0.650.59\eta_{TWTA,assy} = \eta_{EPC}\cdot\eta_{TWT} \approx 0.90\times0.65 \approx 0.59

となります。電力予算の回でTWTAとSSPAを効率で比較したとき、この比較が公平であるためには両者が同じ境界(バス端子)で測られている必要があることに注意してください。データシートの効率がTWT単体なのかTWTAアセンブリなのか、SSPAのPAEが電源込みなのかRF段だけなのかを取り違えると、電力バジェットの見積もりが十数パーセント単位で狂います。システムエンジニアリングにおいて、効率を語るときは必ず「どこからどこまでか」を明示する——これが実務上の鉄則です。

宇宙環境特有の設計制約

放射線: SEEによるMOSFETバーンアウト。 放射線環境と総線量の回で扱ったTID(総電離線量)は、時間をかけて素子特性を徐々に劣化させる累積効果でした。しかし電力用MOSFETにとってより恐ろしいのは、単発の重イオンが引き起こす**SEE(Single Event Effect)**です。

パワーMOSFETの構造には、ソース・ボディ・ドレインからなる寄生バイポーラトランジスタが本質的に内在しています。高電界でオフ状態にあるMOSFETのドレイン-ソース間空乏層を重イオンが貫通すると、生成された電荷がボディ領域を横切って流れ、ボディ抵抗による電圧降下が寄生バイポーラのベース-エミッタ接合を順バイアスします。これがオンすると電流がさらに電荷を生み、正帰還によって**二次降伏(second breakdown)に至り、素子が数マイクロ秒で恒久破壊されます。これがSEB(Single Event Burnout、シングルイベントバーンアウト)です。また、ゲート酸化膜をイオンが貫通することで絶縁破壊するSEGR(Single Event Gate Rupture)**も同様に破壊的です。

対策の基本は電圧ディレーティングです。SEBの発生確率は印加ドレイン電圧が定格に近づくほど急増するため、宇宙用ではSEB試験(重イオン照射で VdsV_{ds} をスイープし、破壊しきい値電圧 VSEBV_{SEB} を求める)の結果に基づいて、実使用電圧を

Vds,使用kVds,定格,k0.50.75V_{ds,\text{使用}} \le k\cdot V_{ds,\text{定格}}, \qquad k \approx 0.5\text{--}0.75

に制限します。100 Vバスで動作するコンバータに200 V定格の素子を使う、といった一見過剰なマージンは、この制約から来ています。前節で触れた Rds(on)Vbr2.4R_{ds(on)}\propto V_{br}^{2.4} の関係を思い出すと、耐圧を2倍にすればオン抵抗は5倍以上になり、導通損失が跳ね上がります。SEB耐性のためのディレーティングが、直接に電源変換効率を下げている——これは宇宙用電源設計が地上用より本質的に不利である、最も根深い理由の一つです。同様の思想で、コンデンサは定格電圧の50〜60%以下、抵抗は定格電力の50%以下、磁性部品は飽和磁束密度に対して十分な余裕を取る、という部品ディレーティングが信頼性設計の回で見た冗長設計と並ぶ、宇宙機ハードウェアの基本原則になっています。

熱設計: 真空中には対流がない。 地上のDC-DCコンバータはヒートシンクと空冷ファンで熱を捨てられますが、宇宙機の内部では対流が存在しません。損失によって発生した熱は、部品からプリント基板・熱伝導パッド・筐体への熱伝導と、筐体表面からの放射だけで排出しなければなりません。定常状態での接合部温度は

Tj=Tsink+PlossRth(jsink)T_j = T_{sink} + P_{loss}\cdot R_{th(j-sink)}

で決まり、RthR_{th}(熱抵抗)の管理が設計の中心になります。とくに磁性部品は、コアの内部で発生した熱がフェライトという熱伝導率の低い材料(概ね4〜5 W/m·K、アルミの200 W/m·Kと比べて桁違いに低い)を通って外へ出るしかないため、局所的なホットスポットができやすい部位です。しかもフェライトの飽和磁束密度 BsatB_{sat} は温度とともに低下し、キュリー温度に近づくと磁性そのものを失うため、「発熱→BsatB_{sat}低下→同じ電圧時間積で磁気飽和→インダクタンス急減→電流暴走→さらに発熱」という熱暴走(thermal runaway)の経路が存在します。宇宙用EPC・DC-DCで磁性部品が大きく重く作られるのは、電気的な必要性以上に、この熱的余裕の確保という理由が大きいのです。

EMC: スイッチングノイズと受信帯域の周波数計画。 DC-DCコンバータは、原理上、方形波状の電圧・電流を高速に切り替える装置です。周期 TsT_s、デューティ比 DD の理想方形波のフーリエ級数展開は

v(t)=DVin+n=12Vinnπsin(nπD)cos(2πnfswt)v(t) = DV_{in} + \sum_{n=1}^{\infty}\frac{2V_{in}}{n\pi}\sin(n\pi D)\cos(2\pi n f_{sw}t)

であり、第 nn 次高調波の振幅は 1/n\propto 1/n で緩やかにしか減衰しません。さらに実際の波形は立ち上がり時間 trt_r を持つ台形波なので、スペクトル包絡線は

Vn2VinDsinc(nπD)sinc(nπfswtr)1|V_n| \sim \frac{2V_{in}D\,|\mathrm{sinc}(n\pi D)|\cdot|\mathrm{sinc}(n\pi f_{sw}t_r)|}{1}

の形になり、f1=1/(πton)f_1 = 1/(\pi t_{on}) までは 20-20 dB/dec、f2=1/(πtr)f_2 = 1/(\pi t_r) 以降は 40-40 dB/decで減衰します。立ち上がり時間 trt_r が1 nsなら f2318f_2\approx318 MHz、つまり数百MHz帯まで有意な高調波が伸びることになります。

これが致命的なのは、探査機の受信機が扱う信号が 130-130 dBm級というきわめて微弱なレベルだからです。低雑音増幅器の回G/Tの回で見たように、受信系の性能は雑音温度で数十K単位の議論をしています。そこにスイッチングの高調波が1本でも混入すれば、そのチャンネルは使い物になりません。対策はEMC設計の回で扱った一般論に加え、電源系に固有の以下の手法が組み合わされます。

  1. 周波数計画(frequency planning): スイッチング周波数 fswf_{sw} とその高調波 nfswnf_{sw} が、受信機のIF周波数、基準発振器の周波数、テレメトリのサブキャリア周波数などと衝突しないように、fswf_{sw} を意図的に選定します。単に「効率最適点」で決めるのではなく、システム全体の周波数配置図の中で空いているスロットを選ぶ、という設計行為です。さらに、複数のコンバータが機体に搭載される場合には、それらを共通の基準クロックに同期させ、ビート周波数の発生を防ぎます。
  2. 入力EMIフィルタ: バスラインへ流出する伝導ノイズを抑えるため、コモンモードチョークとX/Yコンデンサからなるフィルタを挿入します。ただしフィルタの出力インピーダンス ZoZ_o とコンバータの入力インピーダンス ZinZ_{in}(スイッチングコンバータは定電力負荷なので負性抵抗 ZinVin2/PinZ_{in}\approx -V_{in}^2/P_{in} を示す)が干渉すると系が不安定化するため、ZoZin|Z_o| \ll |Z_{in}| というMiddlebrookの判定条件を満たすようフィルタを設計する必要があります。
  3. スペクトラム拡散(dithering): fswf_{sw} を意図的にわずかに揺らして高調波のピークを分散させる手法。ただし宇宙用では、揺らした結果としてどこにエネルギーが行くかの予測が難しく、周波数計画の確定性が失われるため、慎重に扱われます。

MIL-STD-461(伝導・放射エミッション/イミュニティ)やESAのECSS-E-ST-20-07(電磁両立性)が、こうした要求の規格上の枠組みを与えています。

実務での使われ方

電力バジェット上の実際の寄与。 探査機の通信系電力を積み上げるとき、実務では電力予算の回で書いた Pcomm=PRF/η+PauxP_{comm}=P_{RF}/\eta+P_{aux} を、より正確に

Pcomm=PRFηPCηRF+PauxηPC,auxP_{comm} = \frac{P_{RF}}{\eta_{PC}\,\eta_{RF}} + \frac{P_{aux}}{\eta_{PC,aux}}

と展開します。PRF=100P_{RF}=100 W級のTWTAを積む静止通信衛星では、ηEPC=0.90\eta_{EPC}=0.90 ならEPCだけで15〜20 Wの発熱が生じ、これは衛星の熱設計・ラジエータ面積に直接効いてきます。中型の通信衛星が数十本のTWTAを搭載することを考えれば、EPCの効率を1ポイント改善することが、衛星全体で数十W規模のバジェット改善と、それに見合うラジエータ質量の削減につながります。ESAのARTESプログラムやNASAグレン研究センターが、TWTA本体だけでなくEPCの高効率化・軽量化に継続的な投資を行ってきたのはこのためです。

部品供給の実際。 宇宙用DC-DCコンバータは、ハイブリッドマイクロ回路として完成品モジュールの形で調達されることが多く、欧州のESCC(European Space Components Coordination)や米国のMIL-PRF-38534(ハイブリッドマイクロ回路)、MIL-PRF-38535(モノリシックIC)といった規格の品質クラスで管理されます。放射線耐性はTID(krad(Si)単位、宇宙用DC-DCで概ね30〜100 krad級が要求される)とSEE(LET、線エネルギー付与、MeV·cm²/mg単位でのしきい値。深宇宙ミッションでは LETth75\text{LET}_{th}\ge 75 MeV·cm²/mgが要求されることが多い)の両面で規定されます。

地上局側との対比。 一方、DSNの回で見た地上局の送信系は、電力設計の性格がまったく異なります。DSNの70 mアンテナは20 kW級(高出力モードでは数百kWにも達する)のXバンド送信機を備え、その電源はクライストロン用の高圧DC電源として、商用三相交流(数百V〜数kV)から変圧器・整流器で作られます。ここでは質量制約が事実上存在しないため、大型の商用周波数トランス、油冷・水冷の冷却系、そして必要なら発電機やUPSを含む建屋規模の設備が許されます。効率の1ポイントは電気料金と冷却設備の問題であって、ミッションの成否を左右する制約にはなりません。同じ「RF電力増幅器の電源」でありながら、質量・体積・放熱・放射線という制約の有無が、設計を完全に別のものにしている——探査機側と地上局側の非対称性が、電源という側面からも鮮明に見える例です。

演習問題

  1. あるGaAs SSPAが ηRF=0.32\eta_{RF}=0.32 でRF出力 PRF=15P_{RF}=15 Wを得ています。バス電圧28 Vからドレイン電圧6 Vを作る電源段について、(a) リニアレギュレータを使った場合の ηlin\eta_{lin} と総合効率 ηtotal\eta_{total}、必要なバス電力、(b) 効率 ηPC=0.91\eta_{PC}=0.91 のBuckコンバータを使った場合の同じ3つの値、をそれぞれ求め、両者のバス電力の差を計算してください。

  2. Vin=28V_{in}=28 V、Vout=10V_{out}=10 V、Iout=4I_{out}=4 A、fsw=200f_{sw}=200 kHz のBuckコンバータを設計します。(a) デューティ比 DD、(b) インダクタ電流リプルをピークトゥピークで平均電流の30%以下に抑えるために必要な最小インダクタンス LL、(c) その LL を用いたときに連続導通モード(CCM)を維持できる最小の出力電流 Iout,minI_{out,min}、を求めてください。

  3. あるDC-DCコンバータの損失が Ploss(fsw)=2.0+(8.0×106)fsw+(2.0×105)/fswP_{loss}(f_{sw}) = 2.0 + (8.0\times10^{-6})f_{sw} + (2.0\times10^{5})/f_{sw} [W](ただし fswf_{sw} の単位はHz)と表されるとします。(a) 損失を最小にするスイッチング周波数 fswoptf_{sw}^{opt} とそのときの最小損失を求めてください。(b) 得られた fswoptf_{sw}^{opt} の第3高調波が、探査機の受信機IF周波数と一致してしまうことが判明しました。効率だけでは周波数を決められないという本文の主張を踏まえ、設計者が取りうる選択肢を2つ以上挙げ、それぞれのトレードオフを論じてください。

  4. あるTWTAのデータシートに「効率65%」と記載されていました。この値がTWT管単体のものである場合と、EPCを含むTWTAアセンブリのものである場合とで、PRF=120P_{RF}=120 Wを出力するために探査機バスから引く電力がそれぞれ何Wになるか、ηEPC=0.89\eta_{EPC}=0.89 として計算してください。またこの差が、電力予算の回で見たサブシステム間の電力配分の議論にどのような影響を与えうるか、論じてください。

  5. SEB(シングルイベントバーンアウト)対策としての電圧ディレーティングは、より高耐圧のMOSFETを選ぶことを意味します。本文中の Rds(on)Vbr2.4R_{ds(on)}\propto V_{br}^{2.4} の関係を用いて、耐圧を1.5倍にしたときオン抵抗が何倍になるかを求め、導通損失への影響を述べてください。そのうえで、「放射線耐性と電源変換効率はトレードオフの関係にある」という主張が正しいかどうか、自分の言葉で論じてください。

まとめと次回予告

この回では、SSPATWTAのRF効率と、探査機の電力バジェットの「あいだ」に位置する電源変換段を扱いました。総合効率が ηtotal=ηPCηRF\eta_{total}=\eta_{PC}\cdot\eta_{RF} という積で決まる以上、RF段だけを磨いても総合効率は頭打ちになります。

電圧変換の効率がリニアレギュレータでは Vout/VinV_{out}/V_{in} という変換比そのものに縛られてしまうのに対し、トランジスタをスイッチとして使うDC-DCコンバータは、ボルト秒平衡から導かれる Vout=DVinV_{out}=DV_{in} という時間比だけの関係により、原理上は変換比によらず高効率を実現できることを見ました。実際の効率を90%台に押しとどめているのは、fswf_{sw} に依存しない導通損失、fswf_{sw} に比例するスイッチング損失、そして磁性部品の鉄損・銅損であり、これらの競合から fswopt=C/Bf_{sw}^{opt}=\sqrt{C/B} という最適周波数が現れます。TWTA用のEPCはさらに複雑で、多段コレクタからのエネルギー回生を成立させるために、kV級の複数出力を高精度・協調シーケンスで供給する必要がありました。そして宇宙特有の制約——SEB対策のディレーティングが導通損を押し上げる構造、対流のない環境での磁性部品の熱設計、受信帯域を汚さないためのスイッチング周波数の計画——が、地上用電源とはまったく異なる設計解を強いていることも確認しました。

「効率」という一語が、どの端子からどの端子までを指しているのか。この境界の明示こそが、システムエンジニアリングにおける最も基本的で、最も間違えやすい規律です。

次回は電気から機械へ視点を移し、大型アンテナをフェアリングの中に折り畳んで打ち上げ、軌道上で確実に開くための展開アンテナの機構設計に軽く触れます。電力変換と同じく、「通信性能の数式には直接現れないが、それを成立させている裏側の工学」の話です。

参考文献

  • R. W. Erickson, D. Maksimović, Fundamentals of Power Electronics, 3rd ed., Springer
  • N. Mohan, T. M. Undeland, W. P. Robbins, Power Electronics: Converters, Applications, and Design, Wiley
  • ECSS-E-ST-20C, Space Engineering: Electrical and Electronic, European Cooperation for Space Standardization
  • ECSS-E-ST-20-07C, Space Engineering: Electromagnetic Compatibility
  • ECSS-Q-ST-30-11C, Space Product Assurance: Derating — EEE Components
  • MIL-STD-461, Requirements for the Control of Electromagnetic Interference Characteristics of Subsystems and Equipment
  • A. S. Gilmour Jr., Klystrons, Traveling Wave Tubes, Magnetrons, Crossed-Field Amplifiers, and Gyrotrons, Artech House
  • J. R. Wertz, D. F. Everett, J. J. Puschell (eds.), Space Mission Engineering: The New SMAD
  • NASA/JPL, Deep Space Network Telecommunications Link Design Handbook, DSN No. 810-005
  • J. R. Schwank et al., “Radiation Effects in MOS Oxides,” IEEE Transactions on Nuclear Science, vol. 55, no. 4, 2008
  • R. D. Middlebrook, “Input Filter Considerations in Design and Application of Switching Regulators,” IEEE IAS Annual Meeting, 1976