システム・運用#144
アンテナフィード系の設計 — ホーンアンテナ・照度分布・偏波器
パラボラ反射鏡が焦点に集めた電波を、実際にRF信号へと橋渡しするのはフィード(給電部)という具体的なアンテナ素子である。導波管モードが自由空間へ放射される過程からホーンアンテナの指向性パターンとコルゲート化の利点を導き、照度テーパーとf/D比の整合設計、マルチバンドフィード、円偏波を生む偏波器の実装までを数式とともに扱う。
前提知識: パラボラアンテナの幾何設計 — 放物面反射鏡・カセグレン系・ビーム導波管
この回で学ぶこと
前回は、放物面反射鏡がなぜ軸に平行な平行波を1点(焦点)に集めるのか、その幾何と、焦点に置かれた「フィード」の指向性パターンが開口の照度分布・開口効率・スピルオーバーにどう影響するかを扱いました。しかしそこでは、フィードそのものは「ある指向性パターン を持つ何か」として抽象化されており、その中身には立ち入りませんでした。
この回ではその「何か」の正体、つまりフィード(一次放射器)そのものの設計に踏み込みます。反射鏡が電波を集める・広げるレンズだとすれば、フィードは導波管を伝わる電気信号と自由空間を伝わる電波とを実際に相互変換する、システムの中で唯一「RFの世界」と「光学の世界」の両方に足をかけている素子です。この回では、
- 導波管が開口部で自由空間に放射される際にホーンアンテナの指向性パターンがどう形成されるか、そしてコルゲートホーンがなぜサイドローブと交差偏波を抑えられるのか、
- フィードのビーム幅を反射鏡の 比に合わせて最適化する、エッジテーパー設計の数式、
- 1つのフィードで複数の周波数帯(S/X/Ka帯など)を同時に扱うマルチバンドフィードの設計上の工夫、
- 直線偏波を円偏波に変換する**偏波器(ポラライザ)**の物理的な実装、
を順番に見ていきます。
直感的導入 — 反射鏡の焦点に置かれる「本当のアンテナ」
少し意地悪な問い方をすると、「パラボラアンテナ」という呼び名は正確ではありません。放物面反射鏡それ自体は金属の鏡であって、電流も流れなければ、電気信号を生成することもありません。実際に電気信号(導波管やケーブルを伝わる電磁波)と自由空間を伝わる電波とを相互変換しているのは、焦点(あるいはカセグレン系ならその実効焦点)に置かれた、直径にして数cm〜十数cm程度の小さな装置――フィードです。反射鏡は、このフィードが持つ指向性パターンを、開口全体に広げられた平行波のビームへと「拡大コピー」しているにすぎません。
このフィードの実体としてもっとも広く使われているのがホーンアンテナです。導波管(内部を電磁波が伝わる金属の管)の終端を、ラッパのように徐々に広げた形状をしていて、見た目はまさに「ラッパ」そのものです。なぜラッパ型が良いのか、直感的に考えてみましょう。導波管をいきなりぶった切って自由空間に開放すると、導波管内部のインピーダンス(電磁波にとっての「通りやすさ」)と自由空間のインピーダンスが急激に不整合を起こし、電波の多くが反射されて逆流してしまいます。ホーンは、この2つのインピーダンスを徐々に(緩やかなテーパーで)橋渡しすることで、反射を抑えながら電磁波を滑らかに自由空間へ「染み出させる」役割を果たしています。同時に、開口が広がることで指向性(ビームを絞る能力)も生まれ、反射鏡を照らすのにちょうどよい広がりのパターンを作り出します。
数式定式化
ホーンアンテナの開口位相誤差 — なぜ「ただ広げるだけ」では済まないのか
導波管の断面を単純に広げていくと、ホーンの壁は幾何学的に、ある1点(仮想頂点、virtual apex)から放射状に広がる円錐(または角錐)の側面をなします。この仮想頂点を 、 からホーンの軸に沿って開口面までの距離(スラント長)を とし、開口面上で軸から距離 の点を とすると、ホーンの壁に沿って伝わる電磁波にとって、 から までの実際の距離は
です。壁がまっすぐ( から見て放射状)である以上、ホーン内部の波面はこの を中心とするほぼ球面波として伝わっていきます。 のとき、この距離をテイラー展開すると、
つまり開口面上では、軸上の点()に対して、軸から だけ離れた点は、 だけ余分な経路長(したがって位相の遅れ)を持ちます。これが**開口位相誤差(aperture phase error)**です。開口の縁(、 は開口半径)での最大位相誤差を、波長 で規格化した無次元量として、
と定義します。これは前回、放物面反射鏡について「反射鏡上のどこで反射しても焦点までの光路長が等しく、波面の位相が揃う」ことを示した議論の、いわば裏返しです。反射鏡は焦点からの球面波を完全な平面波に変換できますが、ホーン自身は仮想頂点からの球面波をまだ平面波に変換しきれておらず、開口面上に で表される位相のズレ(収差)を残したまま放射しているのです。
この位相誤差 が大きいほど、開口面上の各点から放射される波が互いに位相不揃いのまま遠方界で合成されることになり、ちょうど前回の位相効率 が下がるのと同じ理屈で、ホーン自身の利得(開口効率)が低下します。一方で、 をゼロに近づけようとすると( を非常に長くする)、ホーンが物理的に長大になり、フィードとして実用的な大きさに収まらなくなります。この2つの要求のバランスを取った設計が「最適利得ホーン(optimum gain horn)」で、古典的な設計チャートでは、円錐(コニカル)ホーンの場合おおよそ 前後(位相誤差にしてちょうど4分の1波長)が、実用的な長さと利得の良いバランス点として知られています。
設計例。 Xバンド(cm)用に、開口半径 cmのコニカルホーンを の最適設計にしたい場合、必要なスラント長 は
程度になります。反射鏡直径34mや70mに比べれば、フィード自体は手のひらに乗る程度の小さな部品であることが分かります。
コルゲートホーン — ハイブリッドモードによる対称パターン
単純な滑面(スムースウォール)のホーンには、実務上厄介な欠点があります。導波管内の基本モード(円形導波管なら モード)は、E面(電場に平行な面)とH面(磁場に平行な面)とで境界条件が異なるため、ホーンの開口から放射されるパターンもE面とH面とで非対称になります。E面パターンはH面パターンよりも一般に広がりが小さく(サイドローブも高く)なる傾向があり、この非対称性は、反射鏡を照らす照度分布の非対称性、ひいてはサイドローブや**交差偏波(cross-polarization)**成分の増加として現れます。特に後述する円偏波の生成では、E面とH面のパターンが揃っていないと偏波の純度そのものが劣化してしまいます。
この問題を解決するのがコルゲートホーン(corrugated horn)です。ホーンの内壁に、波長のおよそ4分の1程度の深さを持つ細い溝(コルゲーション)を、波長より十分密な間隔で軸方向に多数刻みます。この溝は電磁波にとって、軸方向には非常に高いリアクタンス(ほぼ開放)を、円周方向には低いインピーダンス(ほぼ短絡)を示す、異方性の人工境界条件として働きます。この特殊な境界条件のもとでは、通常なら別々に振る舞う モードと モードが、ほぼ等しい位相速度で結合したハイブリッドモード として伝搬するようになります。
モードの開口電場分布は、E面とH面でほぼ同一の(円対称に近い)放射パターンを生み出し、その結果として、
- E面・H面のビーム幅がほぼ一致する(等ビーム幅)、
- 主偏波面上での交差偏波成分がきわめて低く抑えられる、
- サイドローブレベルが大きく下がる、
という性質が得られます。これが深宇宙局や衛星通信の高性能フィードにコルゲートホーンが標準的に使われる理由です。歴史的には、コルゲーションのような分布的な構造を使わずとも、導波管の段差(ステップ不連続)でわずかに モードを励起し、 と組み合わせることで狭帯域ながら同様の低サイドローブ・等ビーム幅パターンを実現する**Potterホーン(デュアルモードコニカルホーン)**という設計も、JPLのP. D. Potterによって1963年に考案されており、コルゲートホーンが広く実用化される以前の深宇宙局アンテナで使われてきました。
フィードの照度分布と 整合設計
前回導いたように、フィードから反射鏡の縁を見込む半角 は、反射鏡の 比によって
と一意に決まります。フィードの設計者にとってこれは「自分が作るフィードの指向性パターンが、この という特定の角度でちょうど望ましいエッジテーパーになっていなければならない」という具体的な設計仕様になります。
フィードの放射パターンの近似モデルとしてよく使われるのが、コサインべき乗モデル
です。 はビームの鋭さを表すパラメータで、 が大きいほどパターンは軸上に鋭く絞られます。このモデルで、角度 でのエッジテーパー(縁での減衰量、dB表示)は
で与えられます。前回見たように、開口効率とスピルオーバー効率の積を最大化するエッジテーパーの最適点はおよそ 〜 dB(前回の解析では dB前後)にあります。したがってフィード設計者は、与えられた (すなわち与えられた反射鏡の )に対して、この目標エッジテーパーを実現するように (=ホーンの開口径や、コルゲーションの設計)を選ばなければなりません。上の式を について解くと、
設計例。 DSNの34m BWGアンテナ()では、前回の演習で求めた通り です。目標エッジテーパーを dB とすると、、 なので、
すなわち、ほぼ 程度の、比較的緩やかなビーム幅を持つコルゲートホーンで足りることが分かります。反射鏡の が浅い(小さい)ほど が大きくなり、フィードは広角にわたって照射しなければならないため、 は小さく(ビームは広く)なる、という直感とも整合しています。
マルチバンドフィード — 周波数選択板と導波管カットオフ
実際の深宇宙ミッションでは、同じアンテナ・同じフィード位置でS帯・X帯・Ka帯といった複数の周波数帯を同時に、あるいは切り替えて使いたいという要求があります。ここで素朴に「1本の導波管フィードに、S帯からKa帯までまとめて通せばよいのでは」と考えたくなりますが、これは導波管のモード理論の観点から成立しません。
円形導波管の基本モード のカットオフ周波数は、導波管半径 を使って
で与えられます(モード指数 はベッセル関数の導関数 の最初の零点)。この導波管が単一モード( のみが伝搬する)で動作できる周波数帯域は、次に低いカットオフを持つモード――(ベッセル関数 の最初の零点 )――が伝搬し始める周波数までに限られます。両者のカットオフ比は
数値例。 S帯(GHz)で が伝搬できるように導波管半径を選ぶと、
このとき のカットオフは GHz、その次の モード(カットオフ比 )でも GHzにすぎません。X帯の8.4GHzはこの単一モード窓をはるかに超えており、同じ太さの円形導波管でS帯とX帯を単一モードのまま同居させることは原理的に不可能であることが分かります。
このため実際のマルチバンドフィードでは、各周波数帯ごとに専用の(その帯域に最適化された寸法・コルゲーションを持つ)ホーンを別々に用意し、ビーム経路の途中に周波数選択板(frequency selective surface, FSS)――特定の周波数帯だけを透過・反射させる、共振素子を周期配列した薄い板(ダイクロイックプレートとも呼ばれる)――を斜めに挿入することで、複数のホーンの視軸を光学的に同一の焦点位置へ重ね合わせる設計が広く使われます。これは自由空間(準光学系)での周波数分離という点で、spacecraft-rf-frontend.mdの回で学んだダイプレクサ(導波管・同軸回路内での送受信周波数分離)と発想は同じですが、働く領域が異なります。ダイプレクサはアンテナより電気的に「後段」の導波管回路内で周波数を分けるのに対し、周波数選択板はアンテナより「前段」、自由空間を伝わるビームそのものを周波数で振り分けます。もう1つの実装が同軸(コアキシャル)フィード構造で、高い周波数帯(例えばKa帯)用の小さなホーンを、低い周波数帯(例えばS帯)用の大きなホーンの内側に同軸状に入れ子にして配置し、両者の視軸を機械的に一致させる方式です。
偏波器(ポラライザ) — 直線偏波から円偏波への変換
偏波の回で学んだ通り、右旋円偏波(RHCP)は、直交する2成分 が等振幅()で、かつ が に対して位相 (90°)だけ遅れる、という条件で定義されました。ホーン自身(あるいはそれに続く導波管)は通常、直線偏波を扱う素子なので、この90°の差動位相を人工的に作り出す部品が必要になります。これが**偏波器(ポラライザ)**です。
偏波器の基本原理は、光学における複屈折(バイリフリンジェンス)結晶を使った4分の1波長板と本質的に同じです。導波管内に、ピン・誘電体スラブ・段差構造などの非対称な摂動を加えると、互いに直交する2つの主偏波モード(仮に 軸方向、 軸方向とする)が、わずかに異なる伝搬定数 を持つようになります。入射する直線偏波を、この2つの主軸に対して45°傾けて入射させると、両モードに等しい振幅 が励起されます。導波管中を長さ だけ伝搬したのちの2成分の差動位相は
これがちょうど (90°)になるように長さ を選べば、
このとき出力される2成分は等振幅・90°位相差となり、すなわち円偏波の定義そのものを満たします。実際の伝搬定数差 は、摂動の形状(ピンの長さ・段差の寸法など)によって決まり、通常は電磁界シミュレーションによって数値的に設計されます。
実務でとりわけ多用される実装が**セプタムポラライザ(septum polarizer)**です。正方形(または円形)導波管の中に、対角線状の薄い金属板(セプタム)を挿入した構造で、この1つの接合部だけで「直交する2つの直線偏波ポートへの分離」と「必要な90°の差動位相付与」を同時に行い、2つの矩形導波管ポートからそれぞれ独立にRHCPとLHCPを同時に取り出せます。これは事実上、偏波器と直交モードトランスデューサ(OMT)の機能を1つの部品に統合したものと言え、DSNの大型アンテナが多くの局面でRHCP・LHCPを同時受信できるデュアル円偏波フィードを実現する際の、代表的な実装方式の1つです。
なお、この偏波器が高純度の円偏波を出力するには、その入力側であるホーン自身のE面・H面パターンが揃っていること(前節のコルゲートホーンの性質)が前提になります。ホーンのE面・H面パターンが非対称なままだと、いくら偏波器で正確に90°の位相差を作っても、開口上の と の振幅分布そのものが揃わず、結果として交差偏波成分が残ってしまいます。コルゲートホーンとポラライザは、独立した部品でありながら、高純度円偏波というひとつの目的のために設計上密接に結びついているのです。
実務での使われ方
NASA/JPLのDSN(Deep Space Network)では、34m BWGアンテナ・70mアンテナともに、ペデスタル室(または反射鏡裏側の焦点付近)に複数の周波数帯専用のコルゲートホーンフィードが配置され、ダイクロイックプレート(周波数選択板)によってS帯・X帯・Ka帯のビーム経路が合成・分離されています。歴史的には、ボイジャーの高利得アンテナ(HGA)がS帯とX帯を1つの反射鏡・フィード系で同時運用するために、ダイクロイック板を用いた設計を採用していたことが知られています。
CCSDS 401.0-Bに規定される深宇宙通信の周波数帯(Sバンド:アップリンク約2.1GHz/ダウンリンク約2.3GHz、Xバンド:アップリンク約7.2GHz/ダウンリンク約8.4GHz、Kaバンド:アップリンク約34GHz/ダウンリンク約32GHz)は、前回見た通りそれぞれ大きく離れているため、本文で導いたカットオフ周波数の議論からも分かるように、単一の導波管フィードで直接すべてを賄うことはできず、帯域ごとに最適化されたホーンとダイクロイック合成という設計が理にかなっています。
Ka帯フィードの設計・製造には特有の難しさがあります。波長が短くなるぶん導波管・コルゲーションの寸法も比例して小さくなり(たとえばKa帯32GHzでは cmで、対応する円形導波管半径は数mm程度)、前回見た反射鏡表面精度の議論(Ruzeの式)と同様、フィード自身の内部寸法精度もサブミリメートルオーダーで管理する必要があります。またKa帯は大気(特に降水)による減衰・シンチレーションの影響を受けやすいため、フィード単体の性能だけでなく、システム全体としての可用性設計にも影響します。
偏波器の面では、円偏波はスピン安定化探査機のロール角変動やファラデー回転に対して偏波の回で学んだ通り本質的に頑健であるため、深宇宙リンクの大多数がRHCPを標準として採用しており、地上局側もセプタムポラライザやOMTを介したデュアル円偏波受信を標準装備としています。これにより、探査機の姿勢がどうであっても、あるいは電離圏や太陽コロナを通過する際に多少の偏波面回転が生じても、リンクの受信電力がほぼ安定に保たれます。
演習問題
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DSNの70mアンテナ(、前回の演習で と求めた)について、目標エッジテーパー dB を実現するフィードパターンのパラメータ ()を求めよ。本文中で計算した34m BWGアンテナの と比較し、 が大きい(反射鏡が浅い)アンテナほどフィードにどのようなビーム幅特性が要求されるか論じよ。
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Xバンド(cm)用のコニカルホーンフィードを、開口半径 cm、最適位相誤差 で設計したい。必要なスラント長 を式 から求めよ。また、同じ開口半径のままスラント長を半分にした場合、位相誤差 と、それにともなう開口効率への影響(定性的でよい)を述べよ。
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円形導波管の半径を cmとしたとき、 モードのカットオフ周波数を式 から求めよ(GHz単位)。この導波管がKa帯(32GHz)で単一モード動作できるかどうかを、 モードのカットオフ周波数比(倍)を用いて判定せよ。
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コルゲートホーンが生み出すハイブリッドモード の性質(E面・H面パターンの対称性)が、後段の偏波器による円偏波生成の「純度」にどう影響するかを、本文の議論に基づいて自分の言葉で説明せよ。
まとめと次回予告
反射鏡が電波を「集める・広げる」幾何光学的なレンズだとすれば、フィードはRF信号と自由空間を実際に相互変換する、システムの中で唯一の物理的な橋渡し役です。ホーンアンテナは導波管モードから自由空間放射への滑らかな変換を担い、その開口位相誤差というただ1つのパラメータ が、ホーン自身の長さと利得のトレードオフを支配します。コルゲート化によってE面・H面パターンを対称に揃えることで、低サイドローブ・低交差偏波という高性能フィードの基本性能が実現され、その対称なパターンは、エッジテーパー設計を通じて反射鏡の 比と数式的に整合させられ、さらにマルチバンド化・偏波器による円偏波生成という、実際のミッション要求に応える工夫へとつながっていきます。
次回は、このフィード(あるいはビーム導波管方式ならペデスタル室)の先に接続される受信機フロントエンドの中でも、とりわけ微弱な信号を扱う上で避けて通れない極低温冷凍工学に軽く触れます。低雑音増幅器やメーザーがなぜ絶対零度近くまで冷却されなければならないのか、その熱力学を、これまで見てきた幾何設計・フィード設計の先にある最後のピースとして位置づけます。
参考文献
- A. D. Olver, P. J. B. Clarricoats, A. A. Kishk, L. Shafai, Microwave Horns and Feeds, IEE/IEEE Press
- P. D. Potter, “A New Horn Antenna With Suppressed Sidelobes and Equal Beamwidths,” Microwave Journal, 1963
- C. A. Balanis, Antenna Theory: Analysis and Design, Wiley
- W. A. Imbriale, Large Antennas of the Deep Space Network, JPL Publication 02-6, Wiley
- CCSDS 401.0-B, Radio Frequency and Modulation Systems, Part 1: Earth Stations and Spacecraft
- DSN Telecommunications Link Design Handbook, DSN No. 810-005